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70代、一人暮らし。住まいを変えて人生の次の章へ

CASE 02|元気なうちの住み替え

介護が必要になる前に、自ら次の暮らしを選び、新しい住まいと長年暮らした自宅を整理した事例です。

「介護が必要だから」ではない住み替え

70代半ばの女性からのご相談でした。

ご主人を亡くされて約8年。

都市部の便利なマンションで、一人暮らしを続けておられました。

趣味もあり、外出もできる。

要介護状態でもありません。

一見すると、住み替えを急ぐ理由はありませんでした。

しかしお話を伺うと、

「一人分の食事を作って、一人で食べる生活に少し疲れた」

「元気なうちに、次の生活へ進んでみたい」

というお気持ちがありました。

身元保証会社から、「住まい探しと、その後の不動産についても相談できる人」としてご紹介いただいた案件でした。

急がず、本人の気持ちが動くのを待つ

この方の場合、「今すぐ老人ホームへ入らなければならない」という状況ではありません。

だから私は、急いで一つの施設へ誘導するのではなく、いくつかの住まいを一緒に見ながら、

ご本人がこれからどんな生活をしたいのか

を確認していきました。

最終的に選ばれたのは、今までの生活圏から大きく離れないサービス付き高齢者向け住宅でした。

食事の提供があり、一人暮らしの負担は軽くなる。

必要な安心もある。

それでも、これまでの街や友人とのつながりは大きく変えない。

ご本人にとって、無理のない住み替えでした。

新しい生活が見えたとき、古い家を手放す決心がついた

興味深かったのは、住み替えが決まった後です。

最初から自宅を売りたいと強く希望されていたわけではありません。

しかし、新しい生活が具体的に見えてくると、

「今までの家も整理して、これからのために使いたい」

というお気持ちへ変わっていきました。

そこで、自宅マンションの売却も私に任せていただきました。

私は、ご主人が残された財産について、

「これから奥様が安心して、楽しく暮らすために使うことも、ご主人が望んでいることではないでしょうか」

というお話をしたことを覚えています。

高齢期の住み替えは、「弱ってから」だけではない

このケースから私が強く感じたことがあります。

高齢者の住み替えというと、

「介護が必要になったから」

「認知症になったから」

と考えられがちです。

しかし本来は、

まだ自分で考え、選び、決められるうちに、これからの暮らしを設計する

という選択肢がもっとあってよいと思います。

住み替えは人生の終わりではありません。

場合によっては、

人生の次の章を始める選択になります。