本文へ移動

「何を売るか」ではなく、「何を残すか」から考えた相続相談

CASE 03|地主・資産相談

不動産の割合が高いご夫婦の資産を棚卸しし、売却ありきではなく、次世代に何を残すかという視点から整理した事例です。

「相続対策をしたい。でも、何から始めればいいのか」

70代のご主人と、60代の奥様からのご相談でした。

地方の土地や実家、賃貸不動産などを複数所有されており、公開用に数字を加工していますが、資産総額は2億円台。

その多くを不動産が占めていました。

「子どもたちに、どう分ければいいのか」

「この不動産は残すべきなのか、売るべきなのか」

ご本人の頭の中にはある程度のイメージがあるものの、具体的な行動には移せていない状態でした。

最初にしたのは、不動産を売ることではありません

私はまず、

財産の棚卸し

から始めることをご提案しました。

何を持っているのか。

どこにあるのか。

収益を生むものは何か。

管理の負担になるものは何か。

次の世代が引き継げるものは何か。

そして、税務については専門家の領域を踏まえながら、将来的な相続税や資金需要も含めて全体像を整理しました。

「売れば仕事になる」からこそ、売らない判断をする

奥様が相続された、築年数の経過した賃貸住宅もありました。

不動産会社として考えれば、

「売却しましょう」

と提案すれば仲介業務につながる可能性があります。

しかし私は、建物の状態や収益性を見たうえで、

今は売らず、適切に手入れしながら保有する

という方向を提案しました。

まだ収益を生み出せる不動産でした。

その収益を、

相続への備えや、ご家族へ渡していく資金として活用する。

その方が、ご家族全体にとって合理的だと考えたからです。

相続対策とは、「税金を減らすこと」だけではない

地主・資産家のご相談では、

「どうすれば相続税が少なくなるか」

が入口になることがあります。

もちろん税金は重要です。

しかし、それだけではありません。

誰が何を引き継ぐのか。

管理できるのか。

持ち続ける意味があるのか。

売却した方が家族にとって良いのか。

次の世代が困らない形まで考えて初めて、本当の相続準備になると私は考えています。

私は税理士ではありません。

だから税務は税理士へ。

法律は法律の専門家へ。

そのうえで私は、

不動産と家族の暮らしをつなぎ、「では、この家族はどうするのか」を整理する役割

を担います。